名古屋で車を運転するあなたへ。
もし初めて「出来町通(できまちどおり)」や「大津通(おおつどおり)」といった基幹バスレーン区間に迷い込んだら、従来の運転常識はいったん忘れてください。そこには、全国でも類を見ない、**「右折レーンよりもさらに右側を直進車が走る」**という、究極のトラップが仕掛けられているからです。
今回は、この名古屋独自の交通システム、基幹バスレーンの真髄と、ドライバーが肝を冷やす「初見殺し」のエピソードを深掘りします。
🚨 究極のトラップ:「右折」の隣が「直進」
通常の道路では、右折したい車は自然と道路の最も右側の車線へ向かいます。しかし、基幹バスレーンが敷かれた道路では、この流れが混乱します。
最もドライバーを困惑させる構造がこれです。
1. 右から1番目(道路の最も中央): 基幹バス専用(直進)レーン
2. 右から2番目: 一般車両の右折レーン
3. 右から3番目以降: 直進・左折レーン
つまり、一般のドライバーが右折のために待っていると、自分の車の**右隣(つまり最も中央の車線)**を、基幹バスや一般車両(規制時間外の場合)が猛スピードで直進していくという、非常に異様な光景が展開されるのです。
😵💫 ドラゴンズ選手も困惑した「常識外れ」のエピソード
この非日常的な車線配置は、地元以外の人、特に運転慣れしたプロのドライバーですら戸惑わせます。
中日ドラゴンズに移籍してきたプロ野球選手が、記者会見で「名古屋で驚いたこと」を問われた際、「バスレーンにビックリした」と率直に語ったのは有名な話です。さらに他の選手からも「通勤中に、**『左折・直進・右折・直進』**と車線があって、『なにこの道路!?』と戸惑った」という具体的な証言が出ています。
初めてこの道を見た人が、思わず「ここは逆走していいのか?」と混乱するのも無理はありません。
⚠️ 最大の危険:直進車との衝突リスク
この特殊な構造が、単なる「困惑」で終わらないのは、重大な事故につながる危険性があるからです。
右折車が対向車の切れ目を待っているとき、うっかりハンドルや車体が少し右に膨らむと、右隣を直進してくる基幹バス(大型車)と接触・衝突するリスクが常にあります。これは、通常の「一番右側」にいる右折車には発生しない、名古屋独自の危険性です。
✅ 安全に走行するための心得
基幹バスレーン区間を走行する際は、以下のルールを絶対に守ってください。
1. 標識と矢印信号の徹底確認: 路面の青いカラー舗装や、頭上の**「バス専用」**の標識を常に意識し、交差点では矢印信号に従って進行する。
2. 右折は必ず指定レーンから: バスレーンは直進専用です。右折は必ず右から2番目の一般車右折レーンから行い、専用レーンには絶対に入らないこと。
3. 時間帯規制の遵守: 平日の朝夕(7時~9時、17時~19時など)は、バスレーンへの一般車両の進入は交通違反となります。
基幹バスレーンは、バスの定時運行を守るための工夫ですが、そのルールの複雑さと特殊性から「初見殺し」と呼ばれ続けています。名古屋を走る際は、この特異な道路構造を頭に入れて、細心の注意を払ってください。
























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