目次
ハイビーム走行の根拠
道路交通法52条
1 車両等は夜間(日没時から日出時までの時間をいう。以下この条及び第63条の9第2項において同じ。)、道路にあるときは、政令で定めるところにより、前照灯、車幅灯、尾灯その他の灯火をつけなければならない。政令で定める場合においては、夜間以外の時間にあっても同様とする。
2 車両等が、夜間(前項後段の場合を含む。)、他の車両等と行き違う場合又は他の車両等の直後を進行する場合において、他の車両等の交通を妨げるおそれがあるときは、車両等の運転者は、政令で定めるところにより、灯火を消し、灯火の光度を減ずる等灯火を操作しなければならない。
※「灯火を消し、灯火の光度を減ずる等」とは、次のいずれかの方法を指します(道路交通法施行令20条)。
・すれ違い用前照灯をつけて走行用前照灯を消すこと
・前照灯の光度を減じること
・前照灯の照射方向を下向きとすること
まとめると
ふつうに走行しているときはライトをつけてください。しかし対向車がきたり、歩行者とすれ違うときはライトを下向きにするなどの配慮をしてください。というのがこの条文の内容です。
これを読み解くと、対向車がきたときはロービームにしなさい←ということは対向車が居ない時はハイビームで走行して下さい!
ということになる。
かつてはハイビームで走ると迷惑になるので田舎の暗い夜道だけでしか使うことのなかったハイビーム機能。
なぜこのような法律があるのだろうか?
三種の神器
まだ自動車が三種の神器と呼ばれていた時代に作られた法律によってハイビーム走行が義務付けられている。
当時は自動車は三種の神器と呼ばれていて庶民の憧れの的であった。
3C
- カー(car)
- クーラー(cooler)
- カラーテレビ(color TV)
この3つが当時の憧れでこの3Cを買い揃えるために一生懸命働いたという。
時代背景
まだまだ市街地でも自動車の走行が少なく、ましては夜間に走るなんてよっぽどの急用しかなかった時代だ。
対向車もそれほど多くなく、少し郊外に出れば街路灯の整備も進んでいなかった。
そんな時代なので当然ハイビームは重宝していたはずだ。
現代では
しかし70年代から80年代にかけてのモータリゼーションの進歩により自動車は一家に一台の時代ではなくなり、1人一台の時代となった。
また市街地だけでなく郊外にも街路灯が整備され、また夜間にも対向車とひっきりなしにすれ違う。
そういった変化によりいわゆる「すれ違い灯」と呼ばれるロービームで走行するのが当たり前となっていった。
法律の解釈
しかし夜間の歩行者との衝突事故は相変わらず減らない。そこで夜間のハイビーム走行を推奨するキャンペーン的な意味合いも込めてハイビーム走行が半ば義務化されていく方向だ。
もちろんハイビームとロービームを上手いこと切り替えて走れば事故も減る。
しかしロービームに切り替えを忘れて、対向車とのトラブルも発生する懸念もある。
オートマチックハイビーム
そこで活躍する機能として普及してきたのがオートマチックハイビーム(AHB)だ。
この機能は夜間のハイビーム走行時に対向車がやってきたときや、市街地走行などの周りが明るいときに自動的にロービームに切り替えてくれるシステムである。
この機能のおかげでわざわざ手動で切り替えなくてもよくなってハイビーム走行のハードルがかなり下がった。
オートマチックハイビームの操作方法
非常に簡単であり、ライトを点灯させてヘッドライトのレバーを前方に倒してハイビームとなる状態にする。するとヘッドライトがハイビーム状態を表す青い表示にかわる。そのときにオートマチックハイビームスイッチを押すだけだ。
するとAUTO表示が点灯して自動的にロービームとハイビームが切り替わる状態になる。
自動切り替え条件
ハイビーム点灯
- 車速が30km/h以上
- 車両前方が暗い
- 対向車または先行車が存在しない、またはランプを点灯していない
- 前方の道路沿いの街路灯の光が少ない
ロービーム点灯
- 車速が25km/h以下
- 車両前方が明るい
- 対向車または先行車がランプを点灯している
- 前方の道路沿いの街路灯の光が多い
積極的にハイビームとロービームを切り替えよう
夜間の事故減少のためには歩行者や自転車を遠くから見つけることのできるハイビーム走行を多用しよう。
そのためにもオートマチックハイビームシステムを使って対向車とのトラブルを無くすことも非常に重要となる。
オートマチックハイビームの設定
どんなクルマに設定があるのかといえば、トヨタでいえばToyota Safety Sense (トヨタセーフティセンス)が付いているクルマには全て標準装備されている。パッケージ化されているので、自動ブレーキ付きの車に乗っている人は一度確認してみよう。そして夜間の事故減少のために是非ともこの機能を使ってみよう。
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