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トヨタカローラ名古屋による買収
2020年5月に全車種併売をアナウンスしているトヨタ自動車。各地の販売店間でもシェア争いが激化されることが予想されている中、トヨタ自動車のお膝元である愛知県からビッグニュースが飛び込んできた。
トヨタ自動車直営ディーラーであるトヨタカローラ愛知株式会社とネッツトヨタ中部株式会社がトヨタカローラ名古屋を運営するGホールディングスに買収されることとなった。愛知県はカローラ店がトヨタカローラ名古屋、トヨタカローラ愛知、トヨタカローラ愛豊、トヨタカローラ中京と4社がせめぎ合っている。愛知県内でのシェアのナンバー2とナンバー3が合併することとなるので、一気にカローラ店ナンバーワンに躍り出ることとなる。
他グループの再編は?
愛知県は他にも愛知トヨタを中心としたATグループと名古屋トヨペットを中心としてNTPグループの二大勢力が有名だ。各グループはトヨタ店とトヨペット店を中心にカローラ店、ネッツ店、レンタリース店などを傘下に収めた巨大自動車関連企業として活動をしている。今回のGホールディングスによる買収はその二大勢力への宣戦布告のようなものである。
トヨタ自動車も自社の直営店舗を譲渡するぐらいなので、Gホールディングスにかなり期待をしているのがうかがい知れる。
直営店の消滅
愛知県のディーラーはほとんどが地場の企業であったが、トヨタカローラ名古屋とネッツトヨタ中部だけはメーカー直営店であった。今回の株式譲渡により愛知県からはトヨタ自動車直営ディーラーが姿を消すこととなった。
買収の経緯
トヨタ自動車系列の販売店を展開するトヨタカローラ名古屋は2019年7月12日、同じトヨタ販売店であるトヨタカローラ愛知とネッツトヨタ中部とともに企業グループを組むと発表した。
トヨタカローラ名古屋の親会社のGホールディングスが2019年10月にカローラ愛知とネッツトヨタ中部の全株式をトヨタ自動車から取得する予定である。
株式の取得額を明らかにしていないが、3社の販売店店舗数は合計で103店舗となる。また新車販売台数は年間40,000台規模となる。
グループ化後も各社がお互い存続し愛知県内に広がる店舗も当面はそのまま残すという。人身削減も行わない方針だそうだ。当面は各社間の人事異動や給与体系等の変更もないという。
トヨタ系列の販売店は来年5月に全車種を併売することが決まっており専売車種を前面に出した販売戦略の転換を求められている。3社はグループ化で経営規模を拡大するとともに物流や修理整備等の重複事業の効率化を図り縮小する国内市場で生き残りを図る。
カーシェアリング部門でも協業を検討することとなる。
トヨタの販売店では東京都で2018年4月、直営の4社が合併してトヨタモビリティ東京を立ち上げ、大成功を収めている。栃木県でも系列の2社が5月に統合するなど再編の動きが進んでいる。
カローラ名古屋の担当者は「新たなグループ編成で事業機会が広がる。トヨタの戦略に応じた取り組みに挑戦していく」と述べた。
トヨタ自動車は「地域に寄り添った移動や生活サービスを展開できる地場企業に株式譲渡を決定した」とコメントを出した。
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