往年の名車から最新鋭マシンまで!ラリージャパンの熱気が名城公園を彩る






愛知県と岐阜県を舞台に開催されるFIA世界ラリー選手権(WRC)の日本ラウンド、「ラリージャパン」。世界最高峰のモータースポーツイベントが日本で開催されることは、モータースポーツファンにとってたまらない喜びですが、その熱気は競技会場だけにとどまりません。名古屋市の中心部、名城公園でも、ラリージャパンを盛り上げる特別なイベントが開催され、多くの人々を魅了しました。

名城公園南遊園で開催されたイベントでは、競技車両のデモランや貴重なヒストリックカーの展示が行われ、訪れた人々はラリーの歴史とその迫力を間近で体験することができました。特に印象的だったのは、往年のWRCを彩った伝説的なマシンから、現代の最新鋭マシンまでが一堂に会した展示でした。

イベントで特に注目を集めたのは、赤いボディが鮮やかな**DATSUN 240Z(フェアレディZ)**のラリーカー仕様です。ボンネットに「DATSUN TROPHY」のロゴを掲げたこの車は、かつてダットサンが国際ラリーで数々の栄光を掴んだ時代の象徴であり、その雄姿は多くのファンの心を惹きつけました。

ダットサン240Z

そして、トヨタのラリー史を語る上で欠かせない名車たちも展示されていました。白いボディに「TEAM TOYOTA」のロゴが入った1973 TOYOTA Celica TA22は、初代セリカ(通称ダルマセリカ)のラリーカー仕様で、その美しいフォルムは今見ても色褪せることはありません。さらに、同じく白いボディに赤と白のラインが特徴的な1976 TOYOTA RA20 Group 4 (TTE) CELICAも展示され、説明書きには「1976年1000湖ラリー4位、1977年RACラリー6位入賞」という輝かしい戦績が記されていました。これらのセリカは、まだトヨタがヨーロッパのラリーシーンで頭角を現し始めた頃の挑戦を物語る貴重な一台です。

ダルマセリカ

1990年代のWRCを席巻したマシンも登場しました。赤と緑の「Castrol(カストロール)」カラーに彩られた**TOYOTA CELICA GT-FOUR (ST205型)**は、まさにその時代のWRCを代表するマシン。リトラクタブルヘッドライトが特徴的なこのセリカは、世界中のラリーステージで激闘を繰り広げた、トヨタのWRCにおける黄金期を象徴する一台です。

セリカGT-FOUR

また、イタリアの伝説的なマシンも名城公園に姿を現しました。赤と青、白の「MARTINI(マルティニ)」カラーをまとい、圧倒的な存在感を放っていたのはLANCIA DELTA HF Integraleです。このデルタは、1980年代後半から1990年代初頭にかけてWRCで前人未踏の6年連続マニュファクチャラーズタイトルを獲得した、まさに「ラリーの女王」と称されるマシンです。その迫力ある姿は、当時のWRCがいかに熱狂的であったかを物語っていました。

クラシックカーファンを喜ばせたのは、水色のボディが上品な1967 PORSCHE 911と、丸みを帯びたデザインが愛らしいPORSCHE 356です。どちらも大きな補助灯を装着し、クラシックラリーの雰囲気を醸し出していました。そして、水色のボディに「CIBIE」や「ELF」のロゴが入った1964 RENAULT 8 Gordiniも展示され、その説明書きには「1964年のデビューイヤーから活躍」と記されており、往年のラリーシーンを彷彿とさせました。

これらの車両たちは、WRCの進化の歴史や、各メーカーがラリーにかけた情熱を雄弁に物語っていました。名城公園でのイベントは、単なる車の展示にとどまらず、モータースポーツの歴史と文化に触れる貴重な機会を提供してくれたのです。ラリージャパン本戦もさることながら、こうした関連イベントを通じて、より多くの人々がモータースポーツの魅力に触れることができるのは素晴らしいことです。来年以降も、名城公園がラリーの熱気で盛り上がることを期待せずにはいられません。


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