2人に1人が悩まされている花粉症。
現代病の代名詞ともいわれる花粉症だが、新しいアレルギー症状だと思われているだろう。
しかし驚くべきことに200年も前から花粉症に悩まされる人たちは存在したというのだ。
目次
花粉症のはじまり
19世紀初めのイギリスで農民の間でくしゃみ、鼻水、鼻づまりが流行した。さらに涙が止まらなくなるなどの症状がでるようになった。その症状は牧草を刈り取ったあとに出るので、枯草熱(こそうねつ)と名付けられた。
その後、枯草熱の研究をしていたイギリスの学者ボストークにより医学論文として学会で発表された。その論文により、農民以外にも広く枯草熱の症状が知られることとなった。
さらにブラックレーという学者が研究をすすめて枯草熱の原因がイネ科植物の花粉であると突き止められることとなった。
こうして、枯草熱は花粉症と呼ばれるようになった。現代では花粉によるアレルギー反応であると広く知られることとなった。
世界の花粉症
イギリスで研究がすすんでいた花粉症。世界の花粉症の状況はどんなだろうか?
日本での患者が多い花粉症トップ3はスギ科・イネ科・ブタクサである。
実は世界でも日本と同じスギ科・イネ科・ブタクサが原因で【世界三大花粉症】と呼ばれるほど悩んでいる患者が多い花粉症です。
花粉のピーク
世界中に飛散されている花粉。
日本のみならず世界でも通年花粉が飛び交っている。もちろん地域や植物の種類にもよるが、2月から10月には世界三大花粉症のピークを迎える。他の花粉も含めれば世界のどこに行っても一年中花粉症シーズンといえる。
日本の花粉症の中心
春にはスギやヒノキの花粉が多く飛んでいる。
秋になってもまだ少量の花粉も残っている。
それに加えて種類の多いイネ科の花粉が春から秋にかけて飛散するシーズンを迎える。花粉症の人にとっては休まる季節が少ないのが特徴。
スギ花粉の歴史
近年はスギ花粉の患者数が右肩上がりに増え続けている。
その原因として、スギ花粉の飛散量が年々増えてきていることが挙げられる。
戦後に全国の山林にスギが植林されてきた。
1960年代に入ると手入れされない放置林が増加してきた。樹齢が30年を超えるとスギは花粉をだす量が大幅に増える。1995年を境にスギ花粉の飛散量は劇的に増加した。輸入木材に押されて国内の材木価格が安値で推移していることが放置林を更に増やすという負のスパイラルに陥っている。
スギ花粉を発病する患者の低年齢化も花粉症患者の増加の原因となっている。花粉症は自然と治ることはまず無い。患者数は減ることなく増え続けていっている。
日本の他の花粉症
スギ科・イネ科の他にも日本には60種類以上の花粉アレルギーが報告されている。花粉症の原因となるのはそのうち50種類といわれている。サクラやバラ、イチゴなどの花粉にアレルギー反応をもつ人もいる。
人間以外の花粉症
花粉症の症状は人間だけのものではない。実は他の動物も花粉症アレルギーを持つ。
代表的な動物はサルである。人間とほぼ同じくクシャミ、鼻水、目のかゆみなどの症状がでる。
ペットの代表格といえばイヌとネコである。
この2つのペットは異なる症状がでる。
イヌは人間やサルの呼吸器症状とは違い皮膚炎症状を示すことが多い。また鼻炎症状を併発することも多い。
ネコは反対に人間に近い症状を示す。クシャミや鼻水といった人間のような症状を出すことが多いので、薬の開発などでのモデル動物としても活躍している。
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