「東京モーターショー」という名前を聞くと、「クルマ好きの祭典」というイメージをお持ちの方もいるかもしれません。しかし、2025年、そのイベントは「JAPAN MOBILITY SHOW(ジャパンモビリティショー)」として劇的な変貌を遂げました。
現在開催中の東京ビッグサイト会場の模様と、私たちが体験した未来の断片を、熱量と共にお届けします。
Part 1:なぜ名称が変わったのか? そのコンセプトの変革
このイベントが「モーター」から「モビリティ」へ、そして「東京」から「ジャパン」へと名称が変わったのには、深い意味があります。
かつての「モーターショー」は、主に新型車やコンセプトカーといった**『自動車(モーターカー)』そのものが主役でした。しかし、技術の進化は、『移動(モビリティ)』**の概念そのものを、私たちの生活や社会のあり方を変えるものへと進化させています。
🚗 車そのものから、社会まるごとへ
「ジャパンモビリティショー」は、単なるクルマの展示に留まらず、IT、通信、エレクトロニクス、エネルギー、さらには空飛ぶクルマといった多様なモビリティ、そしてそれらが生み出す豊かな未来の社会を見せる「共創の場」へと生まれ変わったのです。
参加企業も、トヨタ、ホンダ、日産、マツダといった国内主要メーカーはもちろん、海外勢に加え、シャープなどのテクノロジー企業、多数のスタートアップ企業など、過去最多の500社以上が参画しています。この異業種間の連携こそが、未来へのワクワクを生み出す原動力となっています。
Part 2:未来への挑戦! 注目コンセプト車両のエピソード
新生モビリティショーの主役は「クルマ」だけではありませんが、日本の技術力が結集した最新の車両展示は、やはり圧巻です。
💡 ホンダ「Honda 0(ゼロ)シリーズ」の挑戦
ホンダのブースでは、次世代EVのグローバルシリーズ**「Honda 0 シリーズ」のプロトタイプが注目を集めています。特に新型のSUVプロトタイプ「Honda 0 α(アルファ)」**は、スリークで洗練されたデザインと、SUVらしい力強さを両立させています。
さらに小型EVのプロトタイプ**「Super-ONE」**は、実用性と楽しさを追求したモデルとして展示され、ホンダらしい遊び心と「操る喜び」の電動化への挑戦を感じさせます。
👑 トヨタ・日産のフラッグシップと未来のカローラ
トヨタは、高級車ブランド**「センチュリー」の新型クーペモデル(参考出品)で最上級ブランド戦略を加速させています。その一方で、未来のスタンダードとなる新型「カローラ」のコンセプトカー**も公開。これは、動力源がEVかPHEVかに関わらず、誰もが乗りたくなる格好良さと性能を追求したモデルとして、大きな話題を呼んでいます。
日産は、大型ミニバン**「新型エルグランド」(参考出品)を世界初公開。第3世代e-POWERなどの先進技術を搭載し、「プレミアムツーリングモビリティ」として、快適性と上質な移動空間を提案しています。また、中東で人気の大型SUV「パトロール」**の国内導入も明らかにし、幅広いラインナップで未来の市場に対応する姿勢を見せています。
🏍️ 二輪・軽モビリティの多様な進化
二輪メーカーでは、ヤマハ発動機のAI搭載モビリティ**「MOTOROiD:Λ」**が、技術革新の裏にある開発者の情熱と共に紹介されています。
ダイハツは、初代ミゼットの精神を受け継ぐ「ミゼットX」や、軽オープンカーの進化形を示すコンセプトを展示。また、軽商用EV「e-ATRAI」を「出張ステッカーファクトリー車」としてユニークな形で出展し、ラストワンマイル輸送を支えるBEVの未来を示しました。
Part 3:未来を五感で体験! 会場深掘りエピソード
このイベントの最もエキサイティングな点は、「未来の街を歩く」ような体験型コンテンツが充実していることです。
1. 🚶 Tokyo Future Tour 2035 — 10年後の生活をのぞき見る
モビリティショーで一番人気といっても過言ではないのが、**「Tokyo Future Tour 2035」**です。ここでは、空飛ぶクルマが飛び交う立体的な都市の姿や、自動運転のデリバリーカーが運ぶ新しいフードサービスなど、未来の街を没入感の高いシアターや展示で体感できます。
2. 🤝 異業種連携と共創の場
「Startup Future Factory」では、モビリティの未来を担うスタートアップ企業と大企業とのビジネスマッチングを目的としたプログラムが展開され、新たな技術革新が生まれる予感に満ちています。
Part 4:会場内ガイド(食事と休憩スポット)
広大な東京ビッグサイトを一日中楽しむために、休憩と食事のスポットは非常に重要です。
🍕 全国の味が集結!「JMSグルメストリート」
会場内には、全国から選りすぐられた40店舗以上のキッチンカーが集まる**「JMSグルメストリート」**が展開されています。「ワクワク感」をコンセプトにしたこのエリアでは、受賞歴のある有名店の料理や、限定メニューなど、バラエティ豊かなグルメを楽しめます。ランチタイムは混雑するため、時間を少しずらして利用するのがおすすめです。
🪑 会場内の快適な休憩スポット
休憩場所は、主に屋外のグルメストリートに併設されたベンチやテーブルが中心です。南エリアのグルメストリートは、比較的落ち着いたカフェメニューが多く、ゆったりと休憩したい人におすすめです。展示棟間のアトリウムの共用ベンチなども活用しながら、無理のないペースで未来を探検しましょう。
🚭 喫煙について
東京ビッグサイトの会場内は電子タバコを含め全面禁煙です。喫煙は、会場が指定する**屋外の喫煙所(喫煙スポット)**でのみ可能ですので、ご来場時に必ず公式マップで場所を確認し、ルールを守って利用してください。
結びに:未来は「誰か」が創るものではなく「みんな」で創るもの
「JAPAN MOBILITY SHOW」は、単なる自動車の見本市ではありません。未来のモビリティと社会について考え、共感し、創り上げていくための、日本全体が一体となった希望の場です。
クルマに興味がない方も、家族連れも、ぜひこの機会に東京ビッグサイトに足を運び、日本が世界に提示する「未来の可能性」を体感してみてください。