「地下鉄がのうなってまうで、まぁそろそろ御無礼するわ」
(地下鉄の終電が来そうなので、もうそろそろ帰りますね)
帰り際などに今でも名古屋人は『御無礼する』を使っている。
会社などでも「お先に失礼します」のかわりに『御無礼します』って若い世代でも使ってる。
目次
御無礼は「ごぶれい」と読む。まるで武士のことばのようだが、今でも名古屋を中心とする尾張地方全域で使われている。
意味は「失礼する」という意味で使われています。
主に3つの用法がある。
「1」は『時間なので御無礼します』など
「2」は『お先に御無礼していただきます』など
「3」は『ちょこっとだけ御無礼します』など
3つとも意味は大きく違うが、すべて失礼しますに言い換えることができる。
御無礼とは一般的には礼儀がないという意味がある。
御無礼をお許しくださいなどと謝罪の場面で使われる言葉である。
しかし名古屋では謝罪という意味合いではなく『ちょっとすみません』的な意味合いで使われている。
御無礼の他にも名古屋弁では『ござる』という言葉を使う。
これも名古屋地方独特の方言である。
『ござる』の意味は『いらっしゃる』である。
目上の方がいるという意味だ。
『今日はえらいさまがござりゃあせる』
といえば
(今日は偉い方がいらっしゃってる)
という意味だ。
『ござる』に似た言葉に『みえる』がある。
『みえる』も『いらっしゃる』と同じく『来る』の丁寧語である。
『みえる』がより丁寧になると『お見えになる』と変化する。
お見えになるは名古屋人はみな標準語だと思っている。
関東や関西の人と話していると『お見えになる』の意味が通じないことがある。
『どえりゃー』や『だがや』などは鳥山明先生のDr.スランプあられちゃんのニコチャン大王が使っていた言葉だ。
もちろん名古屋の人も『だがや』などと語尾に思わずでてしまう。
しかしこれらの言葉は名古屋弁と認識しているので、標準語で話すときには使わないようにしている。
しかし御無礼するとかお見えになるは標準語だと思って話しているので、思わずポロポロ出てしまう。
標準語に言い換えるのが難しい言葉でもある。