高速道路を走行中に何かがフロントガラスに当たったような?!
前を走るクルマが巻き上げた小石が飛んできてフロントガラスが割れてしまった経験はありませんか?
意外と簡単にガラスにひび割れが入ってしまうんだなと・・・
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目次
結論からいうとガラスのひび割れは任意保険で修理可能です。
ただし車両保険に加入している必要があります。
こちらで詳しく説明します。
まず自動車には2つの保険が存在します。
ひとつは強制保険。もうひとつが任意保険です。
強制保険とは自動車賠償責任保険(自賠責保険)のことで自動車購入時や車検整備に加入が義務づけられている保険のことです。
自賠責保険に加入していない自動車や原付を含むバイクを運転すると事故の有無にかかわらず罰則があります。
それに対して任意保険というのは自動車を運転する人が任意に加入する保険のことです。
しかし相手のクルマに傷をつけたり、人を怪我させたりした場合に強制保険では全くといっていいほど足りない(物損に関しては1円もおりません)ので、任意といっても加入率は90%を超えています。
任意保険のなかに入っていればガラスのキズも安心とおもっているとそうではないのです。任意保険のなかには対人対物保険と車両保険があります。
ガラスのキズやヒビ割れには車両保険に加入している必要があります。
自動車保険は1年間無事故で過ごすと割引が増える『等級』というものがあります。
通常は6等級から始まり、無事故になると等級が増えていき、最終的には20等級60%割引となります。
更に等級のほかに『事故有り係数』というものも存在します。
例えば無事故で割引等級が進み9等級から10等級になった契約と、前年に事故があり等級が下がってしまった10等級では保険料に差がでる仕組みとなっている。
通常の事故で相手に補償をしたり、自分のクルマの修理をしたりするときに自動車任意保険を使用します。
その際は翌年の保険等級が3等級ダウンをします。
3年前の割引にまで戻ってしまうという感じです。
しかし単純に3年前の保険料水準に戻るのではなく、前述の事故有り係数が関係してきて割増等級が適用されてしまいます。
下記に新型のヤリスの概算年間保険料を等級別に記載してみます。左の列が前年に事故のない契約、右の列は前年に事故のあった事故有り係数のかかった割増保険料を記載します。
車種 | ヤリスハイブリッド | |
型式 | MXPH10 | |
対人対物保険 | 無制限 | |
一般車両保険 | 200万 | 免責0-10万 |
ゴールド免許 | 日常レジャー使用 | 35才以上担保 |
等級 | 割引率(事故なし) | 割引率(事故有り係数) | 保険料(事故なし) | 保険料(事故有り) |
---|---|---|---|---|
1 | 64%割増 | 275,400 | 64%割増 | 275,400 |
2 | 28%割増 | 216,900 | 28%割増 | 216,900 |
3 | 12%割増 | 190,800 | 12%割増 | 190,800 |
4 | 2% | 168,100 | 2% | 168,100 |
5 | 13% | 150,200 | 13% | 150,200 |
6(F) | 19% | 140,400 | 19% | 140,400 |
7(F) | 30% | 122,500 | 20% | 138,800 |
8 | 40% | 106,300 | 21% | 137,200 |
9 | 43% | 101,400 | 22% | 135,600 |
10 | 45% | 98,100 | 23% | 133,900 |
11 | 47% | 94,900 | 25% | 130,700 |
12 | 48% | 93,300 | 27% | 127,400 |
13 | 49% | 91,600 | 29% | 124,200 |
14 | 50% | 90,000 | 31% | 120,900 |
15 | 51% | 88,400 | 33% | 117,700 |
16 | 52% | 86,800 | 36% | 112,800 |
17 | 53% | 85,100 | 38% | 109,500 |
18 | 54% | 83,500 | 40% | 106,300 |
19 | 55% | 81,900 | 42% | 103,000 |
20 | 63% | 68,900 | 44% | 99,800 |
ガラスの飛び石でのヒビ割れは修理であれ、ガラス交換であれ一律で1等級ダウン事故扱いとなる。
また事故有り係数が1年に限って適用される。なので、現在の等級が仮に15等級であれば翌年は右の列の一段上の14等級の事故有り係数の保険料ということとなる。
ほとんどの等級で翌年の保険料は約3万5,000円ほどのアップとなる。
ガラス交換となると10万円から18万円ほどとなるのでヒビ割れの場合は車両保険を使用した方がお得となる。
ただし、修理で治る場合は約1万円から2万円ほどなので保険は使わない方がお得となる。
2年から3年の長期契約を結んでいる場合は、翌年の保険料は上がらない。
20等級の保険ならば次回の継続時も20等級での継続となり、一切負担はないに等しい。
お得な長期契約を継続時に選択しておいた方が賢い保険というものだ。
フロントガラスを交換するのにかかる費用としては以前は7万〜12万円ほどであった。
しかしここ数年で急激に普及してきた自動ブレーキの単眼カメラがフロントガラス上部に付いている。
このカメラ自体はもちろん再使用するのだが、ガラス交換をした後は必ず再調整が必須となる。
この調整費用が発生してしまうのだ。
また、カメラ周辺に傷がついた場合もガラス自体の交換が必要となってくるので、近年ではガラス交換の頻度も上がってしまった。
この弊害であるのが、以前はガラスの傷の修理交換では車両保険単体の事故は据え置き事故であったのが、現在は1等級ダウン事故扱いになったということだ。
事故時に車両保険を使うと一般的には3等級ダウン事故となる。
しかしガラス単体の損傷は1等級ダウンで済む。
実は他にも1等級ダウンですむ事故はあるんです。
長期契約を結んでいれば実質的に保険料のアップなしで保険が使用できるので積極的に使用した方がお得である。
この5つの損害事故は1等級ダウンですむ。
最近多いのはいきなりのゲリラ豪雨により高架下などのアンダーパスでの冠水被害だ。
これらの損害では修理代がどれだけ高額になっても保険料アップが少なくてすむ。
また車上狙いなどでナビゲーションなどを盗難されたり、窓ガラスを割られたり、鍵穴を壊されたりした場合なども1等級ダウンのみで修理代が保険からおりる。