脱ゆとり教育を掲げていく中で、かつての教科書よりも今の教科書は平均で1.8倍の重さになっている。水筒や教科書や図工の用具などを合わせると平均で5キロを超える重さとなっている。
目次
名古屋市立小学校のある日の時間割を例に出そう。
1時間目 国語
2時間目 算数
3時間目 家庭科
4時間目 理科
給食
5時間目 図工
6時間目 道徳
時間割は昔とそれほど教科の違いはない。
では何が昔とちがうのか?
それは教科書の量と重さだ。
国語の授業で使うものを例にとってみる。
昔は教科書1冊とノート1冊の計2冊を持っていくだけだった。
今では教科書の他に副読本と漢字ドリルが用意され、ノートも国語のノートと漢字書き取り用ノートが必要である。合わせて計5冊となっている。
教科書自体も30年前と比べて紙の質が非常に良くなっている。大きさも一回り大きいA4サイズの物が主流となっている。
紙の質が良くなり一回り大きいとなると重さも当然重くなる。30年前の教科書と比べると1.8倍も重くなっているそうだ。
小学校で最大13.2キロ、中学校ではなんと最大23.6キロもの荷物を持って登下校をしているそうだ。
これでは学校に行くだけで疲れ果ててしまうだろうし、まだ骨格などが成長していく過程の子どもたち健全な育成という面でも弊害が出るだろう。
重くなった教科書に加え数多くの副読本やドリルを持っていくことは子供達にとって大変なことだ。
通学路で重い荷物を持って歩くとそれに気を取られて道路を走る自動車や自転車に注意がいかなくなることもあるだろう。
事故防止の観点からも荷物が減れば注意力も増して安全な登下校ができるだろう。
2018年9月に文科省から各都道府県へ学校の裁量に任せて置き勉を検討して欲しい旨の通達があった。
それを踏まえて名古屋市教育委員会でも学校やPTAなど関係機関などで話し合って子どもの為に置き勉を推奨していくこととなった。
学校や親はどうか分からないが子どもたちはこの決定に大賛成であった。
荷物が減れば登下校も楽になるし安全にもなる。忘れ物も減るかもしれない。
まずはやってみて問題がでれば改善していけばいいのであって、子どもたちのためには大人が決めてあげないといけないと思う。
先日、東京のホテルオークラで皇太子殿下を招いて日本PTA協議会創立70周年記念式典が行われた。
次代を担う児童・生徒たちの健全な育成のため、一層力を尽くしていってほしい旨の挨拶をされたそうだ。
子供たちの健全な育成のためには重い荷物を持たせるのではなく、楽しい思い出を両手いっぱいに持ってもらえるようにしなければならない。