ハイブリッド車といえばかつてはプリウスとアクアの二大勢力が幅を利かせていた。しかし今ではほとんどの車種がハイブリッド化、もしくはEV化されてしまった。
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なかなかフルモデルチェンジができなかったアクア。
いろいろと理由や事情があった。
なかでも大きい理由は価格面だ。
アクアデビュー時の最安値はLグレードの169万円だ。
当時のプリウスの最安値は同じくLグレードの205万円。
ホンダのインサイトとの価格競争もあり、とても戦略的な価格設定で市場に出してきた。
しかし今では安全機能の充実を求める声の高まりで自動ブレーキであるトヨタセーフティセンスやインテリジェントクリアランスソナーなどの標準装備化などにより、当時の価格ではとてもではないが販売できなくなってきた。
同じくトヨタ内での車格の問題もある。
クラウンを頂点とするトヨタ内でのアクアの位置は以下のようである。
アクアの立ち位置としてはカローラとヴィッツの間である。
カローラスポーツが3ナンバーハッチバックとして販売開始をして状況が変わってきた。
1.2Lターボエンジンと1.8Lハイブリッドエンジンを搭載してプリウスとアリオンの間に割って入ったのだ。
車両価格も220万からともはやカローラと呼ぶのに違和感のある車格となってしまった。
思えばカムリもかつては200万円以下で買えるクルマだったのだが、今では400万円オーバーのクルマとなってしまった。
2019年にはカローラアクシオとカローラフィールダーが3ナンバー化して発売されることがほぼ決定している。
そうなるとカローラスポーツよりはボディサイズも大きくなるので価格ももちろん上がる。
240〜250万円ぐらいからの価格設定になると予想される。
カローラの販売価格が上がればアクアも200〜230万円の価格帯で販売することが可能となる。
現行のアクアは2011年の販売当時は燃費に特化した作りとなっていた。
その後もマイナーチェンジしか行っていないので、走りや安全面はそこまで作りこまれていない。
そこで今回のフルモデルチェンジでは燃費以上に安全面が重視される近年の傾向を鑑み、世界最高峰の安全性能のクルマとして生まれ変わると予想される。
しかし、いくら安全面を重視しても3ナンバーになってしまうのはどうしても避けたい。
世界的に見ればワイドボディ化したほうが販売台数は伸びる。
しかし日本国内での需要を考えたら5ナンバーのままの方がアクアは売れるだろう。
過去にはイストで3ナンバー化して売れ行きがガクンと落ちたこともある。
どうしても3ナンバーイコール贅沢なクルマとみてしまう。
また日本の道路状況を考えても5ナンバーの方が合っている。
法人需要を考えても5ナンバーのほうが都合がいい。
カローラフィールダーとカローラアクシオが3ナンバー化してしまうと法人の営業車がプロボックス、サクシードだけになってしまう。
そこでアクアは5ナンバーサイズにとどめておけば法人需要に応えることができる。
どうしても営業先のお客さんに対して3ナンバーで訪問するのは気がひけるという感覚が残ってしまうので、5ナンバーのクルマを選ぶほうが無難であるためだ。
2019年夏にカローラ系のフルモデルチェンジが控えている。
それがひと段落した秋から冬にかけてアクアのフルモデルチェンジが行われるだろう。
売れ筋車種にしてはかなり長いモデルサイクルであったが、遂に新型アクアの登場となる。
どんなデザインとなるかは楽しみだが、落ち着いた雰囲気となるに違いない。