トヨタ自動車は電気自動車と燃料電池車の開発から量産までの業務を専門に担う「トヨタゼブファクトリー」を2018年10月1日付で立ち上げた。人員は順次増員して200人体制とする予定だ。
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組織名のZEVとは走行時に二酸化炭素(CO2)や排気ガスを排出しない『ゼロ・エミッション・ビーグル』の略称。
欧州各国や中国では自動車メーカーに対し、『ゼロ・エミッション・ビーグル』の一定割合の販売義務化を課すなど環境規制の強化に乗り出している。
このため、トヨタはZEVの柱に据える電気自動車(EV)と水素を燃料として走る燃料電池車(FCV)の専門部署を発足させた。
国・地域ごとに異なる規制や需要に対応する体制づくりが重要と判断した結果だ。
これにより通常は4年ほどかかる車両の開発期間の短縮が可能となる。
トップを副社長である寺師茂樹氏が務め、EV企画室を母体としEV戦略や商品企画の業務を大幅に拡充する。
これは生産する車のタイプごとに設けている社内カンパニーという事業体としての位置付けとなる。
社内カンパニーとしてのメリットは、車両の開発から部品調達、生産ラインの設計、量産準備などの商品化の担当者が同じ部署に揃っているため、社内での調整などの手間が省け決定までの意思疎通が速やかになる点だ。
トヨタはトヨタZEVファクトリーとは別にマツダと資本業務提携をして新会社を立ち上げている。
EV車種を2020年までに発売することと並行してトヨタゼブファクトリーではFCVの開発を進めていく。
2014年に世界で初めてFCVを量産して販売した実績を足がかりとしてトヨタZEVファクトリーでは市場拡大に向けて対応を強化していく。
カリフォルニア州など10州でEV・FCV・PHVの一定割合の販売義務化(2018年〜)
EV・FCV・PHVの一定割合の販売義務化(2019年〜)
2040年までにガソリン車・ディーゼル車の販売禁止
国策としてEV車の普及を検討中
2020年までに10車種のEV車種を市販することを目標に掲げている。
そのために開発から生産までを一手に引き受ける200人規模の大プロジェクトとして市場投入にむけ動き出している。
ミライで世界に先駆けて燃料電池車を市販したが、FCVの普及には課題も多い。
1番の課題は水素ステーションの整備だ。
中国では水素を「究極のエネルギー」として位置付けしている。
トヨタも2020年以降年間3万台する目標を掲げているので、水素ステーションの整備が進められていくだろう。